- コラム
チャットボットを導入したものの、
「思ったより使われていない」
「質問しても回答できないことが多い」
「導入前と何が変わったのか分からない」
そんな状態になっていませんか?
チャットボットは、設置すればすぐに成果が出るツールとは限りません。
実際、私たち株式会社イズイズでも、自社開発の生成AIチャットボット「chabee」を社内外で運用していますが、導入直後から順調に活用されたわけではありませんでした。
社内では従来の「分からないことは人に聞く」という習慣が残り、チャットボットを設置してもなかなか使ってもらえない。せっかく質問しても、学習している情報が不足していて回答できない。そんな状態からのスタートでした。
しかし、そこで「チャットボットは使えない」と判断したわけではありません。
実際の質問履歴を確認したり、学習する情報を追加したり、表示方法を変えたりと、少しずつ運用を見直していきました。
その経験から私たちが感じているのが、
運用を見直すことで、チャットボットは大きく変わる。
ということです。
本記事では、チャットボットを導入したもののうまく活用できていない企業に向けて、導入後に見直したい5つの改善ポイントを、イズイズが実際にchabeeを運用してきた経験も交えながら紹介します。
チャットボットを導入すると、
「これで問い合わせ対応を自動化できる」
「社員からの質問も減るだろう」
と期待したくなります。
しかし、実際の運用では、導入しただけで期待通りの成果が出るとは限りません。
例えば、ユーザーが実際に質問する内容と、事前に想定していたFAQが異なることがあります。
また、チャットボット自体の存在に気付いてもらえなかったり、回答精度が低いために「使えない」と判断され、その後利用されなくなったりすることもあります。
だからこそ重要なのが、導入後の利用状況を見ながら改善することです。
これはホームページと少し似ています。
ホームページも、公開しただけでお問い合わせが増えるとは限りません。アクセス解析を行い、ページや導線を改善しながら成果につなげていきます。
チャットボットも同じです。
実際に使われて初めて、
「どんな質問が多いのか」
「何に答えられていないのか」
「そもそも利用されているのか」
が分かります。
そのデータをもとに改善するところから、本当の運用が始まります。
最初に確認したいのが、ユーザーがチャットボットに何を質問しているのかです。
導入前にFAQを準備していても、実際のユーザーが同じ質問をするとは限りません。
企業側では、
「料金について聞かれるだろう」
「サービス内容について質問されるだろう」
と考えていたものの、実際には、
「自社でも導入できますか?」
「このような使い方はできますか?」
「導入には何を準備すればいいですか?」
など、想定していなかった質問が多く寄せられることもあります。
こうした違いを把握するために役立つのが、質問・会話ログです。
ログを確認して、チャットボットが回答できなかった質問が見つかったら、次は回答できる状態へ改善します。
生成AIだからといって、会社の情報を最初から何でも知っているわけではありません。
社内ルールや自社サービスの詳細、料金、独自の業務手順など、その会社固有の情報については、AIが参照できる情報を用意する必要があります。
一問ずつ回答を改善するだけでなく、チャットボットが参照する情報そのものを充実させることも重要です。
例えば社内向けチャットボットであれば、
・就業規則
・福利厚生
・各種申請方法
・社内システムの使い方
・リモートワークの手順
など、従業員から質問されやすい情報をあらかじめ登録しておけば、回答できる範囲を広げられます。
回答精度を改善しても、ユーザーに使ってもらえなければ意味がありません。
そこで見直したいのが、チャットボットの表示方法です。
例えば、
・チャットアイコンが目立たない
・サイトデザインと馴染まず広告のように見える
・何を質問できるのか分からない
・スマートフォンで邪魔な位置に表示されている
といった理由で利用されていない可能性があります。
最後に見直したいのが、チャットボットを使う習慣です。
特に社内向けチャットボットでは、性能だけ改善しても利用が定着しない場合があります。
イズイズでも社内向けにchabeeを導入した当初、従業員はなかなかチャットボットを利用しませんでした。
理由は単純で、
「分からなければ人に聞く」
という従来の習慣があったからです。
チャットボットがあることを知っていても、これまで通り担当者に聞いた方が早いと考えてしまいます。
さらに導入当初はchabee自身の回答精度も十分ではなかったため、
「チャットボットに聞く」
↓
「回答できない」
↓
「やっぱり人に聞く」
という悪循環も起きていました。
そこで回答精度の改善と並行して、分からないことがあったときには、まずchabeeへ質問してみるよう社内で案内しました。
チャットボットを定着させるには、
「使えるチャットボットを作ること」と「使ってもらう環境を作ること」の両方が必要です。
ここまで紹介した改善を整理すると、
ログを見る
↓
回答できない質問を見つける
↓
学習させる
↓
使いやすくする
↓
またログを見る
という循環になります。
つまり、チャットボット運用で重要なのは、一度設定を変更して完成とすることではありません。
利用データを確認しながら、このサイクルを繰り返すことです。
例えば月に一度でも、
・利用回数
・よく質問された内容
・回答できなかった質
・新しく追加すべき情報
・表示や利用方法に問題がないか
を確認するだけでも、次に改善すべきポイントが見つかります。
チャットボットを導入するプロジェクトとして考えるのではなく、育て続ける運用として考えることが重要です。
運用改善を続けても、必ずチャットボットが成果を出すとは限りません。
ここは私たち自身も重要だと考えています。
例えば、そもそもホームページへのアクセスが非常に少なければ、チャットボットの利用数も増えにくいでしょう。
実際、イズイズの公式ホームページへchabeeを設置した際も、当初はチャットボット以前にサイトへのアクセス自体が多くないという課題がありました。
そこで、チャットボットだけを改善するのではなく、ホームページ側でもSEO・AIOを意識したコンテンツの追加などを行い、サイトへの流入改善にも取り組みました。
また、問い合わせ自体がほとんど発生しない業務であれば、問い合わせ自動化による効果も限定的です。
重要なのは、
「チャットボットを使うこと」を目的にしないこと。
何を改善したいのか、その課題にチャットボットが本当に適しているのかまで含めて考える必要があります。
「チャットボットを導入したけれど使われない」
「回答できない質問が多く、どう改善すればいいか分からない」
「担当者が忙しくて運用まで手が回らない」
こうした課題を抱えている企業も少なくありません。
生成AIチャットボット「chabee」では、チャットの会話ログを確認しながら、回答できなかった質問の把握や再学習を行うことができます。
また、学習する情報の追加やチャットウィンドウの表示調整など、導入後の改善にも対応しています。
私たち自身も、自社でchabeeを使いながら、回答できない、使われないといった課題を経験し、一つずつ改善してきました。
だからこそ、単にチャットボットを設置するだけではなく、「導入したあと、どう育てていくか」まで含めてサポートすることを大切にしています。
チャットボットを導入したものの成果が出ていないからといって、すぐに「自社には合わなかった」と判断する必要はありません。
まずは、
1. 実際の質問ログを確認する
2. 回答できなかった質問を学習させる
3. 学習する情報そのものを見直す
4. チャットボットの見せ方を改善する
5. 使ってもらう仕組みを作る
という5つのポイントを確認してみましょう。
チャットボットは、導入した瞬間が完成ではありません。
実際の利用状況を確認し、ユーザーの質問を知り、情報を追加し、使いやすくしていく。
その繰り返しによって、少しずつ自社に合ったチャットボットへ変わっていきます。
運用を見直すことで、チャットボットは大きく変わります。
「導入したけれどうまくいかなかった」で終わらせず、まずは今のチャットボットがなぜ使われていないのか、どこでつまずいているのかを確認することから始めてみてください。
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